2023/10/12 　　 卵と壁

パレスチナの土地で新たな惨劇が始まっています。

世界中が、イスラエルの側に立つと声明を発しています。
日本もいち早く同様の声明を出したようです（ちゃんと考えているのかは不明ですが）。


皆さんご存じのように、彼の地は古来からアラブ人（パレスチナを含む）とイスラエル人が共存して暮らして
いた土地です。
その地を英国と米国が中心となって、イスラエルが建国されました。
三回の戦争を経て、悲劇の民イスラエル人の国は徐々に領土を拡張していきました。
割を食ったのがパレスチナ人です。

生活している土地を今でもイスラエル人に奪われ続けています。

世界中がイスラエル寄りに見えるのですが、別の見方もあるのではないでしょうか？
映像で流れるのはごく一部で、どういう立場に立っているかで（宣伝戦で日本が負けたように）変わります。

イスラエルの一般人が、有無を言わされず殺戮されている映像には心が痛みます。
日本も、いつそうなっても不思議はありません。

以前、村上春樹さんがイスラエルで賞を受けた時のスピーチが思い浮かびます。

彼は、イスラエルの大統領を前にして、戦争を起こす体制を壁、人間を壊れやすい卵に例え、「わたしは
常に卵の側に立つ」と言い切りました。
カザ地区で無差別爆撃を行っている戦争当事国に乗り込んで真摯に命の尊さを説く彼の姿を見た時
この男は本当に凄いなと心底思いました。

一度、全文をお読みになることをおすすめします。


彼がノーベル賞を貰えない一因かも知れません。
もっとも村上さんは、ノーベル賞はいらないと言明していますが。

ダイナマイトの発明を資金源とするノーベル賞に、少なくとも文学賞と平和賞はいらないと思います。