術後二日目に発熱した女児のお話の続きです。
手術自体には何も問題ないと自分では考えたのですが、数日に渡り39度発熱が続くと自信も揺らい
できます。
よく思い返してみると、扁桃の上部の癒着が強くて剥離に若干手間取りました。
ひょっとすると、扁桃組織の取り残しがあるのかという疑問を抱き、一日何回も病室を訪れ咽頭の
所見を見るのですが特別の変化はありませんでした。
例のマージャンをしながら小児科(小児科病棟に入院させてもらってました)の部長さんに「どうして
発熱が続くのか理由がわからない。ひょっとしたら扁桃組織の遺残が有るかと思い診察しているの
ですが違うみたいで」と言いかけたら、「そんなことは、たとえ思っていても口にしてはいけない」と叱責
されました。
その時は、何を仰っているのか意味が分からなかったのですが、今ではありがたく思っています。
その翌日だったでしょうか、診察に行ったところ、患児の頬粘膜にコプリック班を見つけました。
これは、麻疹(はしか)の初期(特有の皮膚の発疹の出現前)に認められる変化です。
大急ぎで小児科の先生のところに報告に行きました(ちなみにコプリック班を見たのは、これが最初で
最後でした)。
それから病棟中が大騒ぎになりました。
何しろ、麻疹は空気感染をする強い感染力を持ち、死ぬこともある恐ろしい病気です。
私の心配も杞憂に終わりました。
今となれば良い思い出です。
ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
不定期ですが、随時更新していきますのでよろしくお願いします。
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