2022/07/27 　　 村上春樹と評論家（小林秀雄）　

村上春樹さんの本を読んでいると、彼の知識の豊富さや観察眼、記憶力に感心することが
多々あります。

また、音楽に対する造詣の深さには関心させられます。
彼は、朝起きてから数時間集中して執筆をして、残りの時間は運動や音楽鑑賞などに使う
と書いてありました。
日本の破滅型の作家さんのような『飲む打つ買うの三拍子』とは縁がない生活スタイルを貫き
いわゆる『文壇』との付き合いを全くしないそうです。
そのせいで若いころはかなり文芸評論家の人たちとは軋轢があったようです。

村上さんの『意味がなければスイングはない』という本があります。
ジャズばかりでなく、クラシックに関しても詳しく、シューベルトの弦楽四重奏曲の演奏家による
違いなど書いてあるのを読むと、一体どこから時間をひねりだしてくるのかと驚嘆してしまいます。

その本の中に吉田秀和というクラシック音楽評論家の話が出てきます。
村上さんは、評論家嫌いですが、彼の事は、それなりの言い回しで尊重しておられました。

吉田秀和さんの本は少しだけ読んだことがあるのですが、誰それの演奏は音を外しただの、飛んだ
だのという記載が多く、評論だから仕方ないのでしょうが、じゃあ自分で弾いてみたらと言いたくなる
気持ちもわかります。

話は例によって飛びますが、最近身辺整理をしており、自分の子供の頃のアルバム（誰も見たくない
でしょ）や学生時代の教科書やノートを処分しています。
我ながら、よくもこんなに録画したなという数のDVDを我ながら呆れつつ捨てています。

本棚の奥のほうから『小林秀雄対談集』なる文庫本が出てきました。
村上さんが、ある本の中で「小林秀雄なんて一行も読んだことがない」と書いてあったのを思い出し、
小林さんと三島由紀夫さんの対談を読んでみたのですが・・・

ガメラ対ギャオスみたいで、意外と楽しめます。