国際的な免疫学者でエッセーや能の作者としても知られた東京大名誉教授の多田富雄
(ただ・とみお)さんが21日、前立腺がんのため、76歳で亡くなりました。
本業の学術研究だけでなく、読者を引きつけてやまない著作を記してくれました。
2001年に脳梗塞(のうこうそく)で倒れ、重い右半身麻痺や言語障害といった後遺症を抱えたが、
懸命のリハビリを続けて、左手でパソコンを打ち、意欲的な文筆活動を続けておられました。
2006年4月に診療報酬が改定され、リハビリの保険給付が最大180日で打ち切りになった際には
「リハビリ中止は死の宣告」と批判し、反対運動を展開しました。
闘病生活をつづった「寡黙なる巨人」は、素晴らしい本です。
先年、臨床心理学の大家、河合隼雄が亡くなり、昨年の11月には、やはり私が大好きだった
行動動物学者の日高敏隆が亡くなりました。
複数の外国語を使いこなし、国際的に活躍してきた戦前生まれの『知の巨人』達が次々と亡くなっていきます。
彼らの著作は残りますが、もう同じ時代を生きていてくれないと思うと、どうしようもない寂寥感に包まれてしまいます。
ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
不定期ですが、随時更新していきますのでよろしくお願いします。
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