藤沢周平さんの『蝉しぐれ』を読み直しています。
葉室麟さんの『古都再見』というエッセイに中で、蝉しぐれは牧文四郎たち三人の成長を
描いた本だと書いてあったのが気になったからです(相変わらず、自分の読書の読みの
浅さを知らされました)。
藤沢周平さんはいいですね。
子供の頃は、根拠なく軟弱なイメージを持ったのでしょうか、司馬遼太郎さんの壮大さに
引かれて、藤沢さんの本に触れることはありませんでした。
何かの拍子(おそらく、蝉しぐれをドラマで観て)、一気にこの作家さんにひかれました。
今回、読んでいて、文体の滑らかさ、風景描写の素晴らしさ、そして、これら全てが史実とは
別の、彼の頭の中から産み出されてきたことが驚きです。
話は変わりますが、時代小説と歴史小説という分け方があるそうです。
前者は、史実を基にして作家さんが書くもので、後者は、史実はあくまでも背景で作家の想像の
世界で書かれたものだと読んだ事があります。
葉室さんに限らず、歴史小説は司馬遼太郎さんという巨峰が聳え立っています。
時代小説は、山本周五郎さんがいて、その奥には藤沢周平さんという途轍もない存在がある
ますから、作家さんは大変だろうなと思います。
そう思いながら、司馬さんそエッセイに載っていた「杉本苑子」さんという作家を知り、新しい
刺激を受けています。
読書は、しょせん暇つぶしではないのか、という疑問は頭から離れませんが。
ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
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