『1Q84』を6月上旬に読み終わりました。
これで、村上春樹さんの長編小説を、全て読み終えたことになります。
もうしばらくは、彼の新しい小説を読めないと思うと寂しくなります。
(子供のころに「夏目漱石」を、何度も読み返したため、あの頃に読んでおけば良かった他の作家、
例えば、トーマス・マンやドストエフスキーを読みそこなったので、村上さんの作品の読み返しは、
当分の間止めておこうと思います。)
『1Q84』を読んで、生意気ですが、私なりの感想を述べれば、一言で言えば「無難に纏まっているな」。
確かに楽しく読み終えたのですが、何となく物足りない。
村上ファンに怒られるかも知れませんが、敢えて言ってしまうと『マンネリ』じゃないのかしら。
彼の年齢からみて、新しいものを生み出す力が弱ってきているのではないのか?
その前に『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を読んだ際に感じた、
パワーというか、村上さんの精神の歪みといったものが、感じられなかったです。
河合隼雄さんとの対談の中で、村上さんは「物語をひとつまた一つと書いていくことによって
自分が不思議に救われていく、自分が治療されていくというふうに強く感じています。」と述べています。
その意味では『世界の』は、読んでいて苦しいというか重苦しい想いを抱きました。
確かに『病んでるな』という、辛さを感じました。
『1Q84』で、彼はなにをやろうとしたのか?
村上さんは『僕は長編を書くときにいつも、今回はこれをやろうというふうに課題を決めるわけです。』
と述べています。
『アンダーグラウンド』などで、オウムの中の人たちや、被害者の話を聞くうちに、彼の中で、何が芽生えたのでしょうか?
いまひとつ、私の力不足のせいでしょうが、未消化な感じです。
ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
不定期ですが、随時更新していきますのでよろしくお願いします。
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