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2022/04/13 スギ花粉症「舌下免疫療法」の効果、遺伝子型で予測可能に



福井大などでつくる研究グループは五日、スギ花粉症の治療法「舌下免疫療法」の効果を患者ごとに
判別できる遺伝子型を特定したと発表した。
数千円程度の比較的安価な検査方法も確立し、臨床検査としての実用化を目指している。実現すれば、
治療前に患者の血液や唾液から遺伝子型を調べることで、治療効果の出やすさを医師が説明できる
ようになる。

 舌下免疫療法はアレルギーの原因となる物質を含む錠剤を毎日舌の裏に投与する治療法で、
二年以上続けることで七割以上の患者に効果がみられるが、残りの患者の効果は低い。
これまでは治療効果を事前に予測する方法がなかった。

 研究グループは、免疫反応に関わるHLA遺伝子に着目。
遺伝子型に個人差があるため、三重県の耳鼻咽喉科で舌下免疫療法を二年以上受けているスギ
花粉症患者二百三人について、この遺伝子型と治療効果の関連性を調べた。
その結果、スギによる花粉症で、舌下免疫療法が効きやすい患者と効きにくい患者を判別できる
遺伝子型を発見した。

 さらに、血液や唾液からDNAの特異的な塩基配列を調べることで、舌下免疫療法が効きにくい
遺伝子型の有無を判別できる検査方法も確立。
HLAの遺伝子型を調べるのに比べ、十分の一ほどの費用で済むという。

 藤枝医学部長は「これまでは二年間治療をしてみると効果があるのかどうか分かる、としか言え
なかった。だが、遺伝子型で効きやすさを説明できるようになり、患者は安心して治療を受けられる
ようになる」と研究の意義を強調。
木戸口特命助教は、臨床検査で「必要のない遺伝子情報まで知る可能性がある」として、患者の
カウンセリングを課題に挙げた。
 研究成果は二月、欧州のアレルギー学会誌「アレルギー」の電子版に掲載された。
福井大と筑波大は検査方法などの特許を出願している。

 舌下免疫療法 アレルギーの原因となる物質を含む錠剤を毎日舌の裏に投与する治療法で、治療後も長期間にわたって効果が持続する。保険が適用され、五歳以上から治療が可能。

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