若い頃は、司馬遼太郎さんが大好きで「竜馬がゆく」は何回も読み直したものです。
五十を過ぎてから、読み残していた「花神」「世に棲む日日」などを楽しく読ませて貰いました。
しかし、最近はある理由から、小説ではなく、随筆や紀行文を好んで読むようになりました。
「歴史を紀行する」という本は大変面白く読ませてもらいました。
近江商人の件や、佐賀の県民性については、とても興味深かったです。
いま「歴史と風土」という本を読んでいます。
遊牧文化と古朝鮮の件は、司馬遼太郎さんの資料の読み込みと深い考察からくる文で
『知の巨人』とは、こういう人を言うのだろうと思います。
ここからは、ひとりごとです。
少し雲行きが変わって来たのは「飛ぶが如く」を読んだあたりからです。
明治維新を背景に、西郷隆盛と大久保利通を中心に書かれた時代小説ですが、半分過ぎた
あたりから読むのが苦痛になってきました。
何故かというと、司馬さんは史実の資料を丹念に読み込んで書き進めて行くのですが、
至る所に「肥後の何々村の〇〇が、挙兵に参加したが、思慮に欠けた人物で云々」といった
文章があちこちに出てくるです。
この本を書いた時点で、書かれた人物の子孫は、まだ生きているだろうに。
史実で、そういう行動していたとしても、後世からの視点、それも司馬さんの個人的な視点から
見た人物像でしょ。
そう思い出すと、司馬さん独特の俯瞰的な歴史観が鼻についてどうにもならなくなりました。
我慢して最後まで読みましたが、しばらく司馬遼太郎さんの作品から遠ざかりました。
「妖怪」は、試しに読んでみようと思っています。
ここでは私が日々体験したことや感じたことなど、診療に関係する以外のことも書いています。
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