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2022/01/10 バターよりマーガリンの方が健康的になった?


マーガリンは長年、健康に悪いと言われ続けてきた食品だが、2018年以降の米国では、
バターよりも健康的な食品になっている可能性を報告する論文が掲載された。
米ミネソタ大学のCecily Weber氏は、「マーガリンは心臓の健康にとってバターよりも優れた
選択肢だ。
特に、硬いスティック状のタイプではなく、タブやチューブなどの容器に入っている柔らかい
タイプが最良の選択肢と言える」と述べている。

 この変化には、米食品医薬品局(FDA)が2018年に、食品への水素添加油脂の使用を禁止
したことも関係している。
水素添加は液体の油脂を固形化する際に用いられる加工技術だが、この加工に伴いトランス
脂肪酸が生成されやすい。
トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)-コレステロールを増やし、HDL(善玉)-コレステロールを減らす。
トランス脂肪酸の摂取量が、心臓病や脳卒中、2型糖尿病のリスクと関連することも示されている。

 Weber氏は、「この変化は公衆衛生対策のサクセスストーリーと言える。
今や米国の消費者は、トランス脂肪酸の悪影響を気にして製品ラベルをチェックすることなく、
商品を選択することができるようになった。
さらに、現在流通しているマーガリンやバターブレンドマーガリンは、通常のバターよりも飽和
脂肪酸が少なく、不飽和脂肪酸が多いことも分かった」と語っている。

 なお、固形に近いスティックタイプよりも柔らかいタブ入りやチューブ入りの方が飽和脂肪酸が
より少ないため、Weber氏はどちらかというと後者を選択することを勧めている。
「スティックタイプのマーガリンが常温でも固形に保たれているのは、飽和脂肪酸の含有量が
多いことが関係している。
心臓の健康のために、飽和脂肪酸の摂取量を減らすことが推奨される」。

 米国内で流通しているマーガリンは、確かに以前よりも健康的なものに変化した。
しかし、それでも食べ過ぎは避けた方が良いとWeber氏は注意を加える。
「マーガリンは心臓の健康にとってバターよりも優れた選択肢となったが、それでも飽和脂肪酸
を含んでおり、またエネルギー密度が高い、つまりカロリーの多い食品だ」と同氏は述べている。

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