新型コロナウイルス感染症流行の影響でぜんそくの患者が入院した数が激減していることが、
東京大の研究グループの調査で分かりました。
メディカル・データ・ビジョン株式会社(東京)の保有する診療データベースを用い、2017年
1月~20年5月にぜんそくを主な病名として全国272の急性期病院に入院した患者数の推移を、
週ごとに分析しました。
その結果、20年2~5月の新型コロナ流行後のぜんそくによる入院数は、過去の同時期と
比較して週当たりの平均で半分以下、45%まで減少していました。
この傾向は小児、成人のいずれでも認められたということです。
ぜんそくは気道の慢性的な炎症で、日本でも100万人以上が治療を受けています。
患者は、呼吸器感染症の感染を防いで花粉、大気汚染物質など症状を悪化させる環境要因を
避けたり、適切な薬物治療を受けたりすることで入院につながる重い発作を予防できます。
今回明らかになった入院の減少について研究グループは、新型コロナ対策がその他の感染症の
予防につながったと推測しています。
禁煙する、薬をきちんと飲む、こまめな掃除でハウスダストを除去するといった、感染を懸念した
行動変容が有効だった可能性があると指摘しています。
結果として症状を悪化させる要因にさらされる機会が減り、体調管理が改善したと考えられるという
ことです。
米国やスロベニアの小規模な研究でも「ロックダウン(都市封鎖)」の期間中に小児のぜんそく
患者の入院数や救急外来受診数が減少したことが報告されていました。
病気についての特徴やアドバイス、今年の傾向など
ちょっとした豆知識になることを書いていきたいと思います。
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